日本財団 図書館




機関の操作ハンドルをリンク、ワイヤ、歯車などの機械的伝達機構を介して遠隔操作する方法で、機構が簡単であり故障も少ない。

(2)電気空気式

機関の操作ハンドルを、圧縮空気を動力とした空気シリンダ、エアモータにより駆動し、それらの制御に電磁空気弁などを使用して電気的に遠隔制御する方式と、機関の操作ハンドルを駆動することなしに、機関付ガバナーモータ及び始動空気電磁弁群を直接遠隔操作する方式とがある。

(3)電気油圧式

機関の操作ハンドルを油圧シリンダ、油圧モータにより駆動し、それらの制御に電磁油圧弁などを使用して電気的に遠隔制御する方式であり、機構は複雑になるが制御性が良く、駆動力も大きい。

(4)電子式(全電気式)

機関の操作ハンドルをモータ、電磁クラッチなどにより駆動し、それらを電気あるいは電子的に遠隔制御する方式であり、調整がやや難しいが制御性が良く、また自動化を組込むことが容易である。

これらの方式にはそれぞれの特徴があり、使用目的により単独に、あるいは一部組み合わせて使用するが、使用範囲にもおのずと限度がある。すなわち(1)の機械式は単に機側ハンドルを延長させて遠隔操作するに過ぎないものが多く、小型船における遠隔操作及び大型船では機側と比較的近距離にある制御室からの遠隔操作に使用する。(2)、(3)、(4)は1個のハンドルあるいはつまみを所定位置に進めるか又は所定の押ボタンを押すだけで、あらかじめ設定されたプログラムにより所定の負荷まで自動運転を行う全自動式が多く、大型船の機関制御室操縦や機関室無人化船の船橋操縦に使用できる。

また、船橋で航海士が操縦装置を操作することを考慮して、機関操作機能に加えてねじり振動自動回避装置、重要部の圧力や温度の異常時における自動減速装置、自動停止装置、その他の各種安全インタロック装置が機関遠隔操縦装置に含まれることも多い。ディーゼル主機リモコン概略図を図2.2.1 に示す。





前ページ   目次へ   次ページ

 

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION