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ディーゼル主機の船橋遠隔操縦装置も、技術的により高度なものに発展し、従来の始動、増減速、逆転停止のプログラム制御に加えて危険回転数の自動回避装置、自動停止、自動減速装置及び各種インターロックが装備され、船橋からワンタッチ操作により、安全にディーゼル主機が制御できるよう考慮されている。

ディーゼル発電機では、予備機の自動始動、並列運転時の自動同期投入、自動負荷分担装置が採用され、さらに過負荷時の非常用負荷選択遮断装置及び停電後の再起動時における補機の順次始動が行われて、ブラックアウト事故に対して万全が期されている。補助ボイラの自動燃焼制御、自動給水制御、空気圧縮機の自動発停、油清浄機の自動スラジ排出などは従来通りであるが、重要補機の自動発停、予備機への自動切替、温度圧力及び液面の自動制御を機関室プラントの各所に採用し、安全性の向上に役立てている。

監視警報装置は、機関室運転状態の監視のために、一般的にデータロガ、スキャニングモニタを設置し、居住区で遠隔警報する延長警報装置と結合して、機関室無人時の異常警報を船橋及び機関士居室に送り、応急処置がとれる体制が確立している。さらにディーゼル主機の排ガス温度偏差計、クランクケースオイルミスト検出器及びシリンダ注油器流量警報器などが取付けられている。



2.1.4 ディーゼル船の監視、操作盤

ディーゼル船の主な監視、操作盤には以下のようなものがある。

(1)主機操縦盤

主機の操縦は、機関室のほかに船橋でも操作できるものが多い。主機操縦盤には、遠隔操作装置と回転計、負荷表示計、操作指示計などが組み込まれている。

主機の主な操作装置には次の方式がある。

?@機械式 ?A電気空気式 ?B電気油圧式 ?C電子式

(2)配電盤

発電機の電気関係の表示や操作装置をまとめたもので、一般に主配電盤と分電盤とから成っている。主配電盤は一台の発電機と一対になっており、発電機が二台あれば、それぞれの発電機に1台の配電盤が設置されている。主配電盤には、メインスイッチのほか電圧計、電流計、出力計、周波数計などが装備されており、分電盤への送電はもちろん並列運転や自動投入ができるようになっている。また分電盤には、電動諸機械の動力用スイッチや照明用のスイッチが装備され、それぞれの分電箱に送電される。





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