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ジャケット冷却水は循環して使用されるもので、ジャケット冷却水ポンプにて送り出された冷却水は、主機のジャケットやシリンダカバーを冷却した後に清水クーラに入り、一定温度まで冷やされたあと再びポンプに吸入される。また清水は暖まると容積が増加し、逆に冷えると減るので、この清水系には水の補給と空気抜きの目的で膨張タンクが高所に設けられる。

その他にはピストン冷却水系統や、燃料弁冷却水系統がある場合もある。


(2)冷却海水系

統冷却海水は、シーチェスト(海水吸入口)から冷却海水ボンブに入り、主機の空気冷却器、L0クーラ、清水クーラなどに送られ、それぞれ空気、L0、清水を冷却する。

海水温度が低すぎると、空気が冷却され過ぎて不完全燃焼を起こしたり、潤滑油では、あまり潤滑油の温度が低すぎると粘度が増して、送油、摩擦損失が増加し、潤滑能力が低下したりする。さらに冷却清水の温度が低すぎる場合も、シリンダ内で発生した熱エネルギーが多量に奪われることになって熱効率が低下する。

このように冷却水温度が低すぎても各部に不具合を生じるので、海水温度は一定に保つ必要がある。そこで一般的に冷却海水の出口温度を検出しながら、各部を冷却して高温度になった海水をポンプの吸入側に戻して、新しい海水との混合比を変えることにより、海水を一定温度範囲内に保つ方法がとられている。 そのほか海水は、過給機の油などのクーラや中間軸受などの冷却水としても使用される。

これらの冷却器で注意しなければならないことは、冷却器の管(チューブ)などが破孔し、海水がL0や清水などに漏入することであり、これを防ぐために海水の圧力はL0や清水などの圧力より下げて運転される。例えば海水の圧力を1.0 kg/cm2とすると、LO、清水の圧力は 1.5〜2.0 kg/cm2としておく。

図1.5.2に主機冷却系統の例を示す。





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