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2.3 断面係数の計算法(指導書P.35〜P.40参照)

断面係数Z=?T/yの計算法はよく理解すること。この方法で、どんなに複雑な断面についても計算できる。船体の場合は部材数が非常に多いので、表をつくって計算を進める。(指導書P.96第3.42図を参照のこと。)
各種板付形鋼の断面係数および断面二次モーメントを与える表を附表として巻末に示したので、利用すると便利である。
補講(はりのS.F.D.、B.M.D.)
指導書P.33に述べたように、はりの各断面にはせん断力、曲げモーメントが作用する。これらのせん断力、曲げモーメントがはりの長さ方向にどのように分布しているかを図示したものをそれぞれ、せん断力団(S.F.D.)および曲げモーメント図(B.M.D.)といい、はりの設計上重要なものである。
第8図に、P.40〜P.41の第2.19図の各種はりのS.F.D.、B.M.D.を示す。これらにおいて、それぞれ最大せん断力、最大曲げモーメントの大きさおよびその位置が、はりの設計上重要となる。

 

2.4 応力の種類(指導書P.28〜P.37参照)

物体中に生ずる応力には、垂直応力(面に対して垂直に作用しあう応力、引張応力または圧縮応力)およびせん断応力(面に対して平行に作用しあう応力)の2種類がある。荷重のかけ方により生ずる応力も異なる。これをまとめると、引張・圧縮荷重によって垂直応力(引張・圧縮)を生じ、せん断荷重によってはせん断応力を生じ、曲げ荷重によっては垂直応力(引張・圧縮、これをとくに曲げ応力という)。とせん断応力を生ずる。このほかに、荷重のかけ方としてねじりがある。(船体の場合、指導書P.41〜P.45を参照のこと。)ねじりによってはせん断応力を生ずるので、以下にこれを説明する。
補講(丸棒のねじり)
丸棒が第9図に示すようにその両端に棒の軸の周りの偶力MT(これをねじりモーメントという。)を受ける場合には、棒の任意の横断面は一定のねじりモーメントを受け、相互にねじりを生ずる。いま棒の両端(断面(L)、(N)にねじりモーメントMTが作用し、棒の軸線に平行であった線ABCと軸線OO’を含む平面ABCO’OがA’BC’O’Oのようにねじれたものとし、OAとOA’とのなす角をe,ABの長さをlとすれば、棒はMTによって単位長さ当りe/lだけねじれたことになる。このe/lをねじり率という。

 

 

 

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