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第4章小型船造船業法

 

小型船造船業法は、小型船造船業における造船技術の適正な水準を確保することにより、小型船造船業の健全な発達を図るとともに、小型船の船質の向上に資することを目的として(第1条)、昭和41年に制定、施行されたものである。その骨子は、小型船造船業を登録制とし、設備が一定の技術水準に達しない場合は、登録が拒否されること、及び各事業場には一定の学歴及び実務経験を有する主任技術者を配置させようというものである。

 

1.主旨

P.97小型船造船業の登録制
昭和41年までは、造船法により総トン数500トン又は長さ50メートル以上の鋼製船舶の製造又は修繕を行う事業については許可制、総トン数20トン以上500トン未満の船舶の製造又は修繕を行う事業については届出制であったが、小型船の品質向上の社会的効果の重大性にかんがみ、小型船造船業を登録制としたものである。
P.9了造船法との関係
?@造船法は、全般的には、事業開始の届出、経営改善の勧告など造船業を事業として把握し、その発達改善を図るための一般規定を定めている法律である。小型船造船業も造船法の一般的事業規則に服するものであるが、小型船造船業において、造船法の届出の目的を達すると考えられるものについては、二重に負担を課することを避けて、小型船造船業法の届出を行えば足りることとしている。
?A特に第2条及び第3条においては総トン数500トン以上又は長さ50メートル以上の鋼船の造修施設及び設備の新設等については、運輸大臣の許可を受けることが定められている。このように、小型船造船業法は、法体系的には造船法を母法として、小型船造船業についての特別の規定を定めた特別法である。
P.97主任技術者制度の目的について
この法律は設備基準による登録制を実施して、小型船造船業者の設備を一定水準に確保することを目的としているが、その目的を達成するためには、小型船造船業の技術能力についても最低水準を設け、これを確保することにより、小型船の製造又は修繕の工事の完全な実施を図ることが必要である。
この主任技術者は、小型船造船業者に代って、小型船造船業の技術面の全面的な管理責任者となるものであるから、その資格については、法律に定め、さらに主任技術者がその職務を怠った場合には、その変更を命ずることができる等の規定が置かれている。

 

 

 

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