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5.5 遠隔操縦装置
遠隔操縦装置は、船橋操縦室、機関制御室、または、その他の制御室より変節の命令を出し、それを油圧変節装置の変節制御部分に伝えて、翼角の変節を行なうものである。
遠隔操縦装置には、電気式と空気式とがあるが、制御性に優れていることおよび制御の容易なことから現在では電気式が多く採用されている。
5.6 可変ピッチプロペラ装置の付属補機器
可変ピッチプロペラ装置の付属補機器には、変節油ポンプ、変節油移送ポンプ、変節油冷却器などがある。
(1)変節油ポンプ
変節油ポンプは変節装置に変節油を供給するポンプであり、1軸に対して2台装備される。1台は常用ポンプであり、他の1台は予備ポンプである。2軸船の場合予備ポンプを右舷軸用と左舷軸用とを共通することもある。変節油ポンプは独立電動モーターによって駆動されるものおよび主機関あるいは減速機から駆動されるものとがある。停止している予備ポンプは常用ポンプの変節油圧力が低下すると自動起動するようになっている。
ポンプの型式としては、定容量型と可変容量型とがあるが、一般にねじポンプ、歯車ポンプ、べーンポンプなどの定容量型が使用される。
(2)変節油移送ポンプ
変節油移送ポンプは船底タンクおよび別置のサンプタンク(ドレンタンク)の変節油を重力タンクへ移送するポンプである。また3・49図に示すような軸系内にサーボモータがある型式のものは、軸系の空所にグリースを充填しているので、重力タンクを必要としない。従って、変節油移送ポンプは装備しない。
ポンプの種類としては、ねじポンプ、歯車ポンプ、べーンポンプなどが使用される。また専用の移送ポンプを装備せず変節油ポンプを移送ポンプとして兼用する場合もある。
(3)変節油冷却器
変節油冷却器は変節油を冷却するために設けられる。しかしサンプタンク(ドレンタンク)やプロペラ軸、給油軸などを通しての放熱が十分の場合は、冷却器の装備を省略することがある。冷却器の型式はチューブ式である。

6. アウトドライブ装置

アウトドライブ装置とは、船外機から上部のエンジン部分を取り除いたような形状をしており、機能には新らしい推進装置である。尚装置自体が舵の役目もするので、舵は不要である。
アウトドライブ装置の駆動方式としては3・54図に示すように、

 

 

 

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