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り、これを外回りと言う。まれには右舷側プロペラが左回りで、左舷側プロペラが右回りの場合もあり、これを内回りと言う。
1軸船の場合、右回りプロペラは船の前進時に船尾を右舷方向に、船首を左舷方向にふれ回す性質がある。左回りプロペラはこの反対のふれ回り性質がある。プロペラの回転方向は非常に簡単なことであるが、実際にはよく間違いをおこすので、十分注意が必要である。

 

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3・39図 回転方向

22)プロペラボンネット
プロペラボンネット(冠)は、プロペラナットを保護するもので、一般に流線型が多く採用されている。プロペラボンネットの内部には、プロペラ軸およびナットの防食のためグリースなどを充填する。
2.2 プロペラの構造
プロペラの構造は数枚の羽根とこれらの羽根を保持すると共にプロペラをプロペラ軸に固定する役目をするボス(またはハブ)とから成っている。この羽根とボスとが一体に鋳造されているのを一体形プロペラといい、羽根とボスが個別に鋳造されて、羽根の根元部において、ボスにボルトで締付け固着したものを組立形プロペラというが、現在では特殊な場合以外は殆んど使用されていない。通常のプロペラは一体形のプロペラであり、殆んどは固定ピッチプロペラである。固定ピッチプロペラは初めに設計し、製作したピッチをプロペラ使用中に変更することができない。プロペラボスはプロペラ軸に押込まれ、ボス船首側はプロペラ軸スリーブの船尾端とプロペラボスの間に海水が侵入しないように、3・15図および3・16図に示すようなパッキンゴム(Oリング)を装備する構造としている。通常は3・16図に示すようなパッキン押え方式が用いられる。プロペラはプロペラ軸に所要の押込量で押込まれた後プロペラナットで締付け、固定される。プロペラナットは保護のためボンネットで覆い、ボンネットの内部には海水侵入などによる腐食防止のためグリースなどを充填する。またプロペラボスの空所にもグリースなどを充填する。

 

 

 

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