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(2)燃料タンクの底部には、燃料取り出し口より低い部分にドレン抜きを付ける。
(3)燃料タンクよりエンジン入口間に沈殿槽、油水分離器、精密こし器を取り付け、水やゴミ等を除去する。
(4)ドレン抜きは定期的に実施する。
(5)燃料フイルタは指定時間毎に交換する。
3.3 冷却水
水質の良否によって機関におよぼす障害としては、主にスケールによるものと錆(腐食)によるものとがある。シリンダヘッドや過給機のケーシングなどにスケールが付着すると冷却効果が悪くなり熱応力のために亀裂を生じる事がある。スケール発生の主因は、冷却水中のCaや、MgがCa塩や、Mg塩となって析出するためであり、全硬度の高い冷却水を使用すると発生する。尚錆については単に冷却水の水質のみに起因するとは言い切れないが、pHが下がると(酸性が増すと)鋼などに対する腐食性が増す他、塩素イオンや、硫酸イオンは、クーラーチューブなどの腐食に関係する。
1)冷却水の選定
清水には、全硬度の低い雨水や水道水を使用する。そして防錆剤を必ず投入して金属表面に強い保護皮膜を形成させ、腐食を防止する。
2)防錆剤の種類と取扱について
防錆剤には、亜硝酸塩系、珪酸塩系、酸素系などが有るが、使用にあっては、次のような注意が必要である。
(1)濃度を適正に保つこと
濃度が適正でないと効果が発揮でいないばかりか逆に入れないときより腐食が増すことがある
(2)取扱はメーカーの指示に従うこと
投入法、濃度管理、廃液の処理方法等はメーカーにより差があるので使用に際してはメーカの指示に従うこと。
(3)防錆剤は水質検査にもとづき選定すること
防錆剤選定の根拠となるのは水質検査の結果であり、検査結果にもとづきメーカーと十分話合って決めることが望ましい。
(4)その他
冷却水は年1回交換すること。
3)不凍液の使用について
冬季凍結の恐れがある場合は、不凍液を入れて使用するが、不凍液は予想される最低温度に余裕を持たせてた温度に合わせて混入量を決めること。尚防錆剤と混用する場合は、互いに影響することがあるのでメーカーの指示を受け使用すること。
又不凍液は通常防錆剤としての機能をもたないので注意が必要である。

 

 

 

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