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2・49図 一体形シリンダヘッド締め付け順序

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2・50図 独立形シリンダヘッドの締め付け順序

2.2 エンジン運動部
エンジンの運動部分は、ピストン、連接棒、クランク軸、主軸受、ハズミ車、ダンパー、及び、その付属部品で構成されている。
1)ピストン
ピストンは、シリンダライナ内を往復運動して、燃焼室内で発生した燃焼圧力を、頂面で受け、連接棒を介してクランク軸に回転力を与えるとともに、クランク軸の回転力により連接棒を介してシリンダ内の燃焼ガスの排出、新しい空気の吸入、並びにシリンダ内の空気を圧縮する役目をしている。
ピストンは、燃焼室の一部を形成するピストン頂部と、リングが装着されるリングランド部、ピストンピンを支持するピストンボス部、ピストンにかかる側圧を支えるスカート部によって構成されている。
ピストン頂面は、高い爆発圧力と高熱にさらされるとともにシリンダ内を高速で往復運動するため、軽くて高温強度に優れ、且つ熱膨張が少なく熱伝導の良い材料が要求される。
小形高速機関では、アルミニュウムを母体とした比較的熱膨張係数の小さいY合金やローエッキス合金を金型鋳造して造られる。中大型機関では、2・51図に示す如く従来は鋳鉄一体形で造られていたが、最近では機関の高出力化に伴い、熱膨張係数が小さく、耐熱強度、保油性、なじみ性に優れたダクタイル鋳鉄(球状黒鉛鋳鉄)の一体形ピストンが使用されている他、頂部を耐熱強度に優れた鍛鋼で造りスカート部を鋳鉄等別の材料で造って、ボルトで締め付けた組み合わせ形が採用されている。

 

 

 

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