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最初の定期検査に合格した船舶には、次回の検査年月日及び検査に関する事項を記録した船舶検査手帳が交付される。この船舶検査手帳には、その後の検査内容が逐次船舶検査官により記入され、機器関係の履歴(整備、修理の記録)、注意点が分かるので、整備又は修理の際の一つの目安となっている。

 

2.船舶検査の運用

2.1 航行上の条件

1)航行区域船舶が安全に航行するために船体、機関、設備等について必要とされる性能等は船舶の航行する水域に応じて異なるため、水域を以下の4種類に区分し、適用する技術上の基準に差を設けている。
(1)平水区域
湖、川及び港内の水域並びに特に定められた52の水域
(2)沿海区域
海岸から20海里以内の水域及び特に定められた水域
(3)近海区域
東は東経175度、南は南緯11度、西は東経94度、北は北緯63度の線により囲まれた水域
(4)遠洋区域
すべての水域
遠洋区域は前記の平水区域、沿海区域、及び近海区域を包含するものであり、同様に近海区域は平水区域及び沿海区域を、沿海区域は平水区域をその一部として包含するものである。
(5)従業制限
漁船については一般船舶の航行区域に代え、従業区域と漁業の種類とを、併せて考慮した従業制限に応じて適用される技術基準が定められる。
従業制限は総トン数20トン以上の漁船では第1種、第2種及び第3種、総トン数20トン未満の漁船(法第32条の漁船の範囲を定める政令に規定する漁船を除く)では小型第1種および小型第2種の5種に区分されており、その概要は以下のとおり。
第1種主として沿岸の漁業
第2種主として遠洋の漁業
第3種特殊の漁業(例えば母船式漁業、トロール漁業、捕鯨業、漁獲物の運搬業務、漁業に関する試験・調査・始動・練習および取締まりの業務)
小型第1種……主として沿岸の漁業(100海里以内)

 

 

 

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