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5)プロペラ取付け後
プロペラの取付けが完了した後プロペラナットを締付けて廻り止めを行う。その後、ボンネット(冠)とプロペラパッキン、パッキン押えを取付けグリース充填穴が2ケあるものは一方よりグリースガンで充填し、他方の穴より流れ出るまで十分に行う。
なおプロペラパッキン押えはプロペラ軸大端部を海水より保護する重要な個所であるから入念に取付けを行い、ゴムパッキン寸法もメーカの指示通りのものを取付け、押え代も適当なものであること。

 

6)プロペラ軸カップリングの取付け
中小形船では組立式の場合が多く、プロペラ軸とカップリングのテーパ合せを行い、フランジ面の倒れがないことを確認し、要すれば修正する。
軸に取付ける要領はプロペラの取付けと同様油圧ジャッキとダイヤルゲージを使用して行うのが望ましい。また小軸径のものについてはメーカで締付ナットに刻印した締めマークで取付ける場合もある。
カップリングが軸と一体形の場合は軸身露出部に船尾管より流入する海水が付着しないように防蝕塗料を塗布またはテープを巻いて保護するとよい。

 

7)スタンチューブパッキンの入れ方
スタンチューブ封水装置には端面シール型が普及しているが、全体としては、やはり構造の簡単なグランドパッキン式が大半を占めている。
クランドパッキンに関するトラブルには、海水漏洩量の増大、軸スリーブの摩耗、パッキンの共廻りなどがあるが、これらを改善するため、以下にパッキンメーカの推奨する取扱いの要点を述べ、参考に供したい。
グランドパッキンを締めた場合のパッキンと軸との接触面圧は3・46図のようにグランド側から奥に行くに従って順次面圧が低くなり、シール作用で重要な奥の方のパッキンの面圧が不足する傾向にある。これにより漏洩量の増大やパッキン共廻りが生じやすい。このためグランドパッキンの締付けが過大になりがちでグランド近くの面圧が高くなり軸摩耗を生じやすい。従ってパッキン取付時には手前から奥まで面圧がなるべく一

 

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3・46図 パッキンと軸との接触面圧

 

 

 

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