や3・34図(ハ)の如く船首の方向に傾斜しているものがある。この翼先端の傾きの量を翼傾斜またはレーキという。3・34図(ロ)はプロペラの翼先端と船体の間隔を大きくするには良い方法であり、(ハ)は高速艇などにおいて遠心力を利用して、少しでも翼根元の応力を減じて翼を薄くするための工夫である。即ち、翼が回転すると遠心力によって、翼を軸心に対して垂直にしようとする力(レーキをなくそうとする曲げモーメント)がはたらく、このために翼の根元に生ずる曲げモーメントは、翼面が推力を出すために翼の根元に生ずる曲げモーメントと反対の方向に作用するから、結局翼根元にはたらく曲げモーメントはレーキによる曲げモーメントだけ減少することになる。 10)回転方向 プロペラの回転方向は、3・35図に示すごとくすべて船尾側から船首に向って見た方向をいう。プロペラが船を前進させる場合、即ち前進回転のときに、時計の針のまわる 3・35図 回転方向
方向に廻るものを右廻りといい、その反対を左廻りという。この回転方向は非常に簡単なことでありながら、実際にはよく間違いをおこすから、十分注意する必要がある。 11)翼輪郭 翼輸郭の代表的なものを3・36図に示す。一般の貨物船、タンカ、漁船等では烏帽子型が広く採用され、高速艇では丸型、曳船等でコルトノズルを有するものに対してはカプラン型が使用される。また、近年船体振動の低減を主目的としたハイスキュー型が注目されている。 3・36図 翼輪郭
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