(1)スターティングモータ (a)構造と機能 2・115図に示すように主要部はエンゲージマグネチックスイッチとモータの2つに大別される。 2・115図 スターティングモータ
スターティングモータの作動は、2・116図に示すようにスターテイングスイッチを操作するとエンゲージマグネチックスイッチのシリースコイルおよびシャントコイルに電流が流れ、この電流によって生じた電磁力はシフトレバーを引張る。 シフトレバーはピニオンクラッチを作動させピニオンギヤを押し出しリングギヤに噛み合わせる。 これと同時にエンゲージマグネチックスイッチのシリースコイルを流れた電流はスタータのフィルドコイルおよびアーマチュアコイルにも流れて、アーマチュアは回転し、ピニオンクラッチに緩い回転を与える。ピニオンクラッチは緩く回転しながらアーマチュアシャフトに沿って押し出されるのでピニオンギヤは確実にエンジンのリングギヤに噛み合う。このときエンゲージマグネチックスイッチのムービングコンタクタがステーショナリコンタクタを接続して始動モータに主電流を流し、モータは強大な始動回転力を出してエンジンを始動させる。 スターテイングスイッチを開路にすればエンゲージマグネチックスイッチの電磁力が消失するので、シフトレバーはその軸に取付けられたリターンスプリングの力でもとの位置に引きもどされる。すなわちピニオンクラッチはもとの位置にもどされ、ピニオンはリングギヤとの噛み合いをとかれモータも止まる。なお、スイッチを切るのが遅れ、エンジン始動後もピニオンギヤーがもどらず、リングギヤーと噛合ったままのときにモータを保護するために、オーバーランニングクラッチが入っている。
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