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(2)点検と整備
潤滑油ポンプの歯面の当り、摩耗、ピッチングおよび軸とブッシュの摩耗、損傷、焼付きのほか歯車側面の当たり、歯先とケースの当たり、などを点検する。
軸とブッシュの摩耗が大きくなると歯先がケースに当るため修理限度を超える場合はブッシュの交換又は歯車の交換が必要となる。
また、歯車の側面がケースに当る場合は組立スキマが過少か軸の曲り、プッシュの摩耗などによるのでサイドクリアランスを点検する。
リリーフ弁、シートの当たりや弁ばねなどを点検、弁ばね力にへたりのあるものは交換するかシムを入れて開弁圧力を調整する。

 

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2・71図 油ポンプのスキマ計測

 

3)潤滑油コシ器(フィルタ)
(1)構造と機能
潤滑油はエンジン内部を潤滑する際にゴミを吸収する他、保管時又は注油時にゴミが混入する。このゴミを取り除き油をきれいにする役目を受持つのがフィルタである。
高速機関ではカートリッジ式、ろ紙式が使われている。又中低速機関ではゴーズワイヤ式、ノッチワイヤ式が多く使われている。
カートリッジ式フィルタの構造は2・72図のようになっていて、エンジンオイル内の不純物を除去し、各摺動面の摩耗を防止する重要な部品であるが、それも取扱いを誤ると、まったくその役をしなくなる。
使用中オイルポンプから送られたオイルは図中?の矢印のように流れろ紙を通り、オイル中の不純物をろ過し各部に送る。
しかし長時間使用すると、ろ紙もつまりろ過能力をなくす。不純物による圧力損失が規定値以上になると、?の矢印の様にフィルタに設けたバイパス弁(安全弁)が開き、オイルはろ紙を通らずに各軸受に送られるため焼付は防止できるが、油中の不純物により各軸受やライナ、ピストン等の摩耗が進むので、フイルタは決められた時

 

 

 

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