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(2)点検と整備
バランサ軸の曲り、軸受部分の摩耗損傷を点検すると共に軸受ブッシュの内径をシリンダゲージで測定し使用限度を越えるものはブッシュを交換する。
バランサ軸や中間歯車のスラストスキマならびにバックラッシュを点検修正する。

 

9)ダンパ(減衰器)
(1) 構造と機能
クランク軸に発生するトルクは、クラッチ軸、減速軸、中間軸、プロペラ軸を通じてプロペラに伝達され、船の推進力となる。このように比較的細長い軸系に、バランスウエイト、フライホイール、プロペラなど多くの慣性体が付属した場合、軸系に加えられる変動によって、軸系全体にねじり振動が発生する。ねじり振動によるねじり応力は、付加応力となり、伝達トルクによる応力に加わり、これが軸の許容応力を越えると疲労破損を越こす。
また、軸系にはタイミング歯車、減速歯車などがあるが、ねじり振動による振巾が、ある限度をこえると、これら歯車の噛合部がたたきあい、騒音源となったり、歯面を損傷する。このような場合、ダンパを使用する。
ダンパは、ねじり振動の振巾がもっとも大きくなる軸端などに装着し、ダンパの慣性体の動きで、振動エネルギをおさえ、ねじり振動による被害を低減させる。

 

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