(ロ)亀裂 テーパーキー溝部分、アーム部とジャーナル部又はピン部との付け根部分、油孔の周囲などに亀裂が発生し易いのでこの部分をカラーチェックや磁気探傷法により点検する。亀裂が軸芯と45°方向に入っている場合はねじり振動による恐れがあるためねじり振動を計測し、対策を施すことが必要である。 デフレクション過大(曲げ力が大きい場合)による亀裂はアーム部の付け根部分に発生することが多く、この場合は軸心のずれ、機関台への取付け不良、機関台の剛性不足、ジャーナル部およびピン部の摩耗などのほか横引きトルク過大について注意する。一例として曲げ力による破断面を2・20図に示す。 これらの亀裂を認めた場合はクランク軸を新品に交換する。
2・20図 曲げカによる破断面
(ハ)ジャーナル部およびピン部の焼損、摩耗 ジャーナル部やピン部が焼損し変色している場合は交換する。軽度なものは研削しアンダーサイズに修正使用可能であるが硬度低下の恐れがある場合は表面硬度および硬化深さなどについてチェックし、又磁気探傷法にてヘアークラックのないことを確認する必要がある。焼損や焼付き発生の場合は主軸受、連接棒大端部などについても変形、損傷の有無を十分点検することが必要である。 ジャーナル部およびピン部の摩耗はマイクロメータで2・21図に示す個所を計測し、摩耗値、真円度、円筒度が使用限度を超えている場合、メーカでアンダー
2・21図 クランク軸径計測位置
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