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2・8図 シリンダの構造

 

裂の軽度なものは進行停止の孔をあけ低温溶接又はメタロックにて補修する。水通路や冷却ジャケット部などの腐蝕や浸蝕は軽度なものは凹部をデブコン補修し、その原因を調査して対策を考える。海水による腐蝕は防蝕亜鉛の状態を点検し、必要ならば交換する。
各軸受メタルのハウジングの変形や穴部からの亀裂ならびにブッシュやメタル焼付によるハウジングの損傷は殆んどの場合シリンダを交換することになる。その他、水、油、空気などの通路孔の盲栓からの洩れについても点検する。
台板については破損亀裂のほかビルジによる腐蝕などを点検すると共に機関台への据付足つけ根および主軸受やバランサ軸受を起点とする亀裂の有無に留意する。主軸受ハウジング穴変形、メタル焼付による焼損、バランサ軸受ブッシュ焼付による変形焼損などは交換する。
又オイルパンについては腐蝕と亀裂を点検すると共に板金製の場合は破損、凹みなどの変形を点検する。

 

2)シリンダライナ
(1)構造と機能
気筒ともいい中空円筒形をしており、その内部でピストンが往復運動をおこない空気を圧縮し燃料を燃焼させて熱エネルギを発生させる部分である。材質は高温高圧に耐えうる特殊鋳鉄を使用し特別なものとして内面に硬質多孔性のクロームメッキ(海水直接冷却の場合)又はタフトライドなど特殊表面処理をしたものもある。
構造による分類は大別すると次の3種類となる(2・9図参照)。
?一体形:シリンダブロックとシリンダライナが一体に作られている(2・9図(a))。
?乾式ライナ:スリーブをシリンダブロックに挿入し間接的に冷却水にて冷却するタイプである。スリーブとシリンダブロックとの嵌合はタイトとルー

 

 

 

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