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中高速形機関では、低速形機関に比較して機関出力は大きくてもトルクが小さいため大径のプロペラを回せない。そのために減速機を用いてプロペラ軸の回転数を小さくし、大きなトルクを得るようにしている。
(例題)機関出力450PS/2,500rpm、減速比3.25の場合の機関トルクおよび減速軸トルクを求めよ。
機関トルク T1=716.2×450/2,500=128.9?・m
減速軸トルクT2=716.2×450/2,500×1/3.25=419.0?・m

 

2) 図示馬力(出力)と軸馬力(出力)
シリンダ内で実際に発生する仕事を動力の単位(馬力)で表わしたものが図示馬力(IPS)であり、下記にて算出できる。
IPS=Pmi×A×S×n×Z×i/75×60=Pmi×A×S×n×Z×i/4,500

 

Pmi:図示平均有効圧力(kgf/cm2)、指圧器(インジケータ)により計測した指圧図(PV線図)から求めた平均有効圧力であり、下記の方法で求めることが出来る。
A:シリンダ断面積(cm2)、A=πD2/4、D:シリンダ直径(cm)
S:ピストンストローク(m)
n:クランク軸回転数
Z:シリンダ数
i:常数(4サイクルの時はi=1/2、2サイクルの場合はi=1)
インジケータ線図(PV線図)と図示平均有効圧力4サイクル機関において、吸入、圧縮、燃焼、排気の各々作動行程において、シリンダ内の圧力はピストンの位置と共に刻々変化することが想像できるでしょう。このような状況を図示したものをPV線図(Pは圧力、Vは容積の意味)と称し、エンジン熱力学理論の基本となっている。(1・10図参照)

 

017-1.gif

 

1・10図

 

PV線図は別の見方で云えばエンジンの1サイクル中に行われた仕事を表わしています。燃焼と膨脹行程はプラスの仕事であり、吸入、圧縮、排気の各行程はマイナスの仕事ですから、PV線図上でそれらを差引きした残りの図形(タビ形図)が仕事を表わすことになる。

 

 

 

 

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