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2)摩耗

摩耗は、(1)相互結合面の凝着と勢断、(2)接触面での合金化、(3)移着片の疲労、(4)新しい露出面の酸化、(5)酸化摩耗片による摩減、(6)化学的腐食、などを含み、加工硬化、アラサの変化、接触面での新しい相の生成や合金化などが伴なう複雑な現象であるとされる。

ここでは微視的な(1)キズ、(2)焼付、(3)疲労、(4)ハクリ、(5)腐食、(6)浸食、などの現象の結果としての材料微小片の離脱の累積が、ある面積的な比較的スムースな拡がりをもつものを摩耗とする。この摩耗が急激過ぎたり、寿命前の寸法変化が大き過ぎたりした場合を、事故、損傷的な摩耗とする。これらは何時でもその原因となった(1)〜(6)の損傷に拡大、復帰する可能性がある。典型的なものは多量の異物による表面層の摩耗、片当り(ミスアライメント、偏荷重、端部当り)などによる摩耗がある。摩耗の特徴は断面組織にほとんど変化が認められないことであろう。

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