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上記は代表的な金属系軸受材料を示す。金属系材料は大別するとホワイトメタル、銅鉛合金、アルミニウム合金の3種に分類でき、各々の特徴および用途は補・5表に示す。また補・18図には代表的な軸受合金の組織を示す。いずれも硬質部、軟質部が現在し、多様な要求特性に対応できるよう工夫されている。

2.5すべり軸受関連部品についての留意点

すべり軸受はハウジングに固定され、油を介して軸を支えている部品であり、これら関連部品や油は軸受の性能に対し大きな影響を与える。ここではすべり軸受の性能をフルに発揮させるために必要なこれら部品に対する留意点を示す。

相手軸に関して特に留意すべき点は、表面粗さ、形状精度、材質があげられる。表面粗さは摩耗寿命や焼付損傷に影響するため極力細かくすることが望ましい。最近は加工技術の向上に支えられ、粗さがRmax.1μm以下のものも多く使用されるようになってきている。形状精度の低下は油膜形成を阻害し、焼付に至らしめるため注意を要する。(補・19図参照)

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ハウジングに関する留意点としては、形状精度や剛性、材質が上げられる。形状精度の低下は軸受の局部当りの原因となり、剛性はハウジングと軸受との間で生ずるフレッチング問題等につながるため、適切な剛性確保が必要である。

油については、油膜を形成するのに必要な粘度と、軸受材が化学的な反応で腐食したりしないように、添加剤や油劣化状態に注意を要する。

また油等に混入した異物については、軸受本来の性能を大きく損なう場合があり、オイルフィルタの選定やオイルメンテナンスに充分な注意を払う必要がある。(補・20図参照)

 

 

 

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