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押込量の計算式は船舶機関規則や日本海事協会鋼船規則で規定されており、これには押込量の上限および下限と参考のため予想押込荷重が示されている。上限はプロペラ内面で材料が降伏したり、プロペラ翼根元に危険な応力が生じない安全な値の限界であり、下限はプロペラのトルクおよび推力に対して満足な値である。また予想押込荷重は油圧ジャッキや圧力計の計画に役立つ。即ち、油圧ジャッキや圧力計などは予想荷重に対し余裕をとる必要はあるが、計測誤差を考慮して適切なものでなければならない。

(ハ)ナットを充分に締め付ける。

(ニ)プロペラボス端面がスリーブの合マークに必ず合うまで押し込む。

(ホ)キーレスプロペラの場合、プロペラ押し込み計算書により、押し込み時のプロペラ及びプロペラ軸を確認して押込量をきめ、押し込む。

(ヘ)ナットは締マークまで締めること。

(6)ナットの廻り止め(セットボルト)施行

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(7)プロペラ軸位置確認

図面と照合しプロペラ軸カップリング端から船尾隔壁端面までの寸法を決め、この寸法を記録し、進水後もプロペラ軸の位置を確認できるようにする。

(8)船尾管パッキン取付け

スタンチューブ封水装置には端面シール型が普及しているが、全体としては、やはり構造の簡単なグランドパッキン式が大半を占めている。グランドパッキンに関するトラブルには、海水漏洩量の増大、軸スリーブの摩耗、パッキンの共廻りなどがあるが、これらを改善するため、以下パッキンメーカーの推奨する取扱いの要点を述べ、参考に供したい。
グランドパッキンを締めた場合のパッキンと軸との接触面圧は7・5図のようにグランド側から奥に行くに従って順次面圧が低くなり、シール作用で重要な奥の方のパッキンの面圧が不足する傾向にある。これにより漏洩量の増大やパッキンの共廻りが生じやすい。このためグランドパッキンの締付けが過大になりがちでグランド近くの面圧が高

 

 

 

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