1)燃料詰まり
(1)配管系が細い
機関が要求する量の燃料は、配管径が細過ぎると短時間内に送油できなくなり、増速しようとしても回転が迅速に追従しなくなる。従って規定内径以上の銅管又は鋼管を用いて配管しなければならない。
(2)フィルタの詰まり
濾器のエレメントが目詰まりすると、通過面積が極端に減少するため、機関が要求する量の燃料を送油できなくなり、増速しようとしても回転が追従しなくなる。従って濾器は定期的に分解清掃又はエレメントを交換しなければならない。
(3)フィードポンプ入ロフィルタの詰まり
フィードポンプの入口には、アイ形接手をユニオンボルトで連結されるが、この部分のユニオンボルト内部に金網式濾器が設けられている。長い間にはゴミが詰まり、機関が必要とする燃料を供給できなくなり、増速しようとしても、回転が追従しなくなる。従って2〜3年毎に金網を清掃しなければならない。
2)燃料系に空気混入
(1)吸い込みヘッドが大きすぎる
フィードポンプと燃料タンク油面の落差が1m以上になると、フィードポンプの性能が極端に低下したり、自吸不能となり、燃料送油ができなくなる。従って増速時の回転追従が困難となる。フィードポンプの吸込みヘッドは、最大限1m以内になるように、燃料タンク(送油口位置)を配置するか、吸込みヘッドが1m以上になる場合は、別に送油ポンプを設けなければならない。
(2)余剰油戻り管の空気混入
噴射ポンプの余剰油は、通常、フィードポンプ入口へ戻すが、フィードポンプが性能低下した場合に、余剰油が極端に減少して空気を混入し易くなり、微小な孔などから空気を吸入してしまう。このような場合は、余剰油戻し管を燃料タンクヘ戻すようにしなければならない。
(3)燃料配管からの燃料漏れ
フィードポンプのサクション側に極く微小な燃料もれがある場合は、そこから空気を吸い込み、徐々にエアーが蓄積されて送油不能となる。
3)吸入空気量不足
(1)換気不良
機関室の換気が不足すると、給気量が不足し出力低下するので、増速時の追従性が悪くなる。また換気不足は室温の異常上昇を誘発するため、機関性能の低下を助長す
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