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4)デフレクションの修正方法
デフレクションの計測値が許容値を越える場合には出来る限り早く修正する必要があるが一般的に次の方法で行う。

?据え付けライナーの修正
計測値が大きすぎる時はその位置の据え付け面を若干持ち上げた状態でライナーを修正して締め付ける。
?軸芯の点検
減速機あるいは逆転機などとの軸芯を点検し、要すれば軸芯の修正を行う。

2.運転

船用デイーゼル機関は、新規製造の場合、船舶安全法あるいは各船級の規則に陸上運転及び海上運転が義務づけられている。
また、就航船に搭載されたディーゼル機関は主機・補機を問わず、定期的な検査・整備あるいは修理等で機関を開放・復旧した後、試運転をして機関が正常に作動しているか確認することは通常行われている。
特に、昨今のように製造物責任法等がさけばれる時代においては、整備後の運転は、船舶の安全を守る非常に重要な責任を負わされた、顧客に引き渡す前の最後の仕事である。
よって、このことを常に念頭におき細心の注意が求められるため、ここでは、検査・整備あるいは修理後に機関を運転するときの方法、注意事項並びに確認すべき事項について述べるが、この中では、何故行われているか、何故行うかについても一部言及する。

2.1運転準備

1)取扱説明書
整備中も本船の取扱説明書に従って行われたと思うが、整備後の各部隙間、調整値および運転等の全ての基準について、正確な数値を取扱説明書によって確認することがまず行われなければならない。また、基本的にはこれらの数値は勝手に変えてはならない。もし、取扱説明書の中の数値が手書き等で書き変えられていたときには、必ず本船の監督か責任者に確認をとることが必要である。

2)陸上運転成績表
運転前の調整、運転時の各部データをチェックするために本船より陸上運転成績表を借りてくること。これらの取扱いについては、取扱説明書と同様に行われなければならない。

3)フラッシング
船内の油管等を新替えした後はフラッシングを行って、管内のゴミ等を完全に排出しなければならない。
ここでは、基本的な方法を述べるので、実際には適用個所を集中して行えばよい。

 

 

 

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