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2)検査成績表
検査成績は製品の各部の寸法精度、性能、成分などの要求品質に対する検査結果及び製造履歴がわかるようにした重要な書類である。
検査成績表は一般に検査成績表(書)、証明書または記録と呼ばれており、主なものを下記に示す。

?官庁(運輸省など)、船級協会(NKなど)発行の合格証明書
?認定物件成績表
?性能試験成績表(運転成績表など)
?受入検査成績表
?寸法検査成績表
?材料試験成績表
検査成績表は注文主、納入先、官公庁及び船級協会等に提出するものと、社内保管として管理用に活用するものがあるが、様式については内容明細が分かるように標準化しておくことが必要である。

3.3機関履歴簿(サービスカルテ)

医者が患者の診察をする場合、患者の過去をカルテにより調べると同じように、機関も過去の整備・修理来歴を機関履歴簿(サービスカルテ)に記録しておくことにより、次回整備の予測をはじめとし、故障発生時の修理復旧が容易にできるほか、機関の体質を知ることにより故障の未然防止も可能である。このように、機関の整備には過去の整備、修理の来歴を知ることは大事なことであり、機関履歴簿を整備し、活用保管することが大切である。

4.技術員の教育(養成)と管理

機関の整備、修理を行うには、取扱機関ごとの商品知識とともに、最近の機関の高出力化にそなえ、機関の構成要素に対する基礎を理解するなど技術力に優れた舶用機関整備士が必要である。このため舶用機関整備士には、メーカをはじめ、関連機関で実施している講習等を積極的に受講させ、技術力の向上を図る必要がある。また、整備作業には経験工学的な知識が必要であるため、諸先輩が長年培ってきた経験にもとづくノウハウを取得させ、伝承していくことが大切である。これが、最も重要なOJT教育(現場教育)の一つでもあり、こうした環境を創り出すことが大切である。その第一歩は、整理整頓と明るい職場づくりから始まるといわれているが、それには、技術員の安全管理と健康管理が基盤となる。

 

 

 

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