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2)寸法計測
重要な部品については、各部の主要寸法を計測し、整備基準に従って限度を超えたものは修正または交換する。機関を分解するごとに、各部の主要寸法を計測し記録しておくことにより、異常摩耗か否かを判断することができる。

3)亀裂の検査
目視で発見できない傷や亀裂は、磁気探傷あるいはカラーチェック等の非破壊検査の方法を用いて調査する。

2.3主要部品の使用限度に対する考え方と記録要領

主要部品の使用限度については、これを越えて使うとトラブルにつながっていくと考えられる状態及び寸法であり、メーカにより、機種ごとに整備基準、修理基準あるいは使用限度基準として規定されている。
整備士は、これらの基準に従い、整備時、修理時には、部品について修理するかまたは新品と交換するかを判断しなければならない。すなわち、部品の損傷、摩耗の程度を調査し、次回の整備(検査)までの使用条件や使用時間などを考慮して、その部品を交換すべきか否かを判断することになる。大事を取りすぎては整備費(修理費)が増加し、軽く考えては事故を招く恐れがあり、難しい判断が必要となる。このような判断が、舶用ディーゼル機関の整備にたずさわる者にとって、長い経験を必要とする重要なノウハウとなっている。従って、整備、修理時には主要部品については主要寸法を計測し、かつ、損耗状態とともに記録し、機関履歴簿として残して、常にデータに基づいて判断する習慣を身につけることがこれからの整備にとって重要である。
シリンダライナとピストンの摩耗量と損耗状態の記録例を1・1図、1・2図に示す。

 

 

 

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