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・必要に応じ分解直後の各部の状況、カーボンの付着状況を写真に撮る。

3)洗浄前の準備事項
・部品の洗浄には大きな工数を必要とするため、薬品、スチーム等を用いて省力化を図る必要がある。なお薬品の取扱にあたっては事前に説明書に十分目を通しておくこと。
・洗い皿、洗浄台等についても、事前に用意しておく必要がある。

4)組立時の注意事項
取扱説明書または整備解説書の順序に従い、適正な工具を用い摺動部には潤滑油などを塗布しながら慎重に組み立てていくことが大切である。また、各作業工程の作業内容に間違いのないことを確認の上次の工程へ移るようにする。
・パッキン、Oリング等が適正なものであることを確認する。
・手袋、ウエス等は使用せず、ゴミを入れないよう細心の注意を払う。
・合いマーク通りに組み立てる。
・各ボルトナットの締め付けにあたってはメーカの指定したオイルまたは潤滑剤を塗布し、かじりを防ぎ規定通り締め付ける。またシリンダヘッド等の主要ボルトは片締めにならぬようメーカで指定された締め付け順序通り2,3回に分け徐々に締め付け、最後はトルクレンチを使用して、規定トルクで締め付けること。なお、締付角度、伸び又は圧力(油圧締めの場合)を計測して締め付ける等のメーカ指示のあるものは、それに従うこと。
・組立基準寸法、スキマ、バックラッシュ、タイミング等は必ず計測し記録しておく。

2.2部品の点検、検査

部品を修理するか交換するかの判断は整備基準(修理基準や使用限度等)に勘案して判断するが、不明な点についてはメーカに照会する。

1)目視点検
一般的には、次の点に留意する必要がある。

(1)表面の状態

ピストン摺動面の異常な摩耗、頂面およびリング溝等の亀裂、シリンダライナ内面の傷、軸受けのかじり、軸受けメタルやメッキの剥離溶損の有無等。

(2)破損の有無

軸、歯車、ピストンリング、バネなどの折損、破損の有無。

(3)腐食の状態

ライナ鍔部および外周、シリンダやシリンダヘッドの水ジャケット部、ポンプ部品等海水、清水にさらされる部品の腐食状態。また、排気弁のステム、水冷排気集合管及びタービンケースの内壁面等燃焼ガスによる腐食状態。

 

 

 

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