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4. 地域との連携

環境教育を進めるにあたって、学校内での連携や地域との連携は重要な位置を占めている。今回訪問した、ウィスコンシン州にあるウエスト中学校では学校ビオトープを中心に学内や地域との連携をとっている。
学内での連携としては、7年生(中学1年生)の担当教員4名と7年生の子供約125名で「ウィザード」というグループを作って活動している。このグループで学校の正面にプレーリーを復元した学校ビオトープをつくった。プレーリーの植物の種子の購入代金は子供達がTシャツを売るなどして、学校全体の子供会の協力を得て資金集めを行った。担当の4人の教員はそれぞれ算数、国語、人文地理、科学が専門であるが、「プレーリー」を共通のテーマとして各授業を進めている。さらに週1回は125人を集めて合同で授業を行い、クロスカリキュラムとして環境教育を進めている。
地域との連携の面では、学校ビオトープをつくる際には、同じ学校区の高等学校の子供が樹木の植栽等を手伝った。また、学校ビオトープ内に配置した大きな岩は、地域の建設会社がブルドーザーを使って移動し、地域の人々はボランティアで作業に参加した。そして、学校ビオトープ全体の創造についてはアーボリータムの専門家の指導を受けている。
このようにウエスト中学校では、学校内で教員間および子供間の協力、地域では同じ学校区の他の学校、企業、住民、そして専門家の協力を得ている。こういった協力が、環境教育を持続的にまた現実的に進めていく上で不可欠である。

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ウエスト中学校の学校ビオトープ

 

 

 

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