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? 調査概要

1. 調査目的

大規模油流出事故への対応は、関連する複数国の国際的な協力が不可欠であり、既にIMO(国際海事機関)の指導及びUNEP(国連環境計画)の支援により海域環境保護のための地域国際協力体制の整備が進められている。
今後この分野における地域協力体制の拡充がますます要請されることは容易に予想され、エネルギー確保の面で恩恵を受けているとともに、アジアにおける先駆的な立場にある我が国が、事故の発生する蓋然性が高い海域を中心に、アジア海域の海洋環境保護のために積極的に取り組んでいくことが重要である。
アジア海域については、マラッカ・シンガポール海峡等大型船が航行する海域を抱えるアセアン6ヶ国(ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール及びタイ)において、アセアンOSRAP(アセアン流出油対応行動計画)の枠組みの中での、OSPAR計画(アセアン海域における油汚染に対する準備及び対応に関する国際協力計画)の実施により、国際的な流出油防除に対する地域協力体制が構築されている。
このような情勢を踏まえ、今年度シンガポールが主催した第2回0SPAR管理委員会に参加して、OSPAR計画に基づいて整備した油防除資機材及び情報ネットワークシステムについて、各国の運用・管理状況及びアジア海域地域協力活動の可能性を把握し、より有効な活用を含めた各国の油防除能力のなお一層の高度化の検討を行い、今後のアジア海域における海洋汚染防止のための国際協力体制のさらなる拡充及び広域化の推進に寄与する。

 

OSPAR計画:Project on the Oil Spill Preparedness and Response in the ASEAN Region
アセアン海域における大規模な油流出事故への準備及び対応に関する国際協力計画

 

アセアンOSRAP:ASEAN Oil Spill Response Action Plan
アセアン流出油対応行動計画

 

 

 

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