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3−2 時差通勤推進に係る問題点の抽出

(1)現況における問題点
通勤流動の実態、混雑発生要因の分析、事業所ヒアリング・従業員アンケート等によって、問題点を抽出すると以下のとおりである。
○通勤混雑回避に対する切実感が少なく、混雑を回避する必要性をあまり感じていない。
これは、事業所はもとより、従業員も大部分についても同様である。また、地下鉄御堂筋線については若干の混雑意識が従業員にはあるが、混雑区間の乗車時間が短く、混雑回避の必要性を感じる人は少ない。
○フレックスタイム制などの普及も足踏み状態。
大阪圏におけるフレックスタイム制の普及状況は明確ではないが、首都圏に比べるとやや遅れているものと考えられる。
労働環境の問題として導入は進んでいくが、業種や職種が限られるのが現状であり、相手先との関係や同業他社との関係がネックとされている。また、導入済の場合でも従業員の利用があまり進まないのが現状のようである。
これらについては管理職が率先して実行するなど、社内での推進体制や管理システムの改善が重要である。
○推進体制が弱い
大阪圏においては、首都圏のように統一的な推進組織ができていない。また、取り組みの現状をみても、関西鉄道協会の統一ポスターが作成されている程度で、実質的には大阪市交通局とJR・阪急など一部事業者が独自にPRを中心とした推進活動を行っているのが現状である。さらに、近年はJR以外の事業者は、旅客の減少に悩みがあり、混雑回避よりむしろ利用促進に関心が高い。

 

 

 

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