日本財団 図書館


 

第3章 混雑発生要因の分析及び時差通勤等施策推進に係る問題点の抽出

3−1 混雑発生要因の分析

地下鉄御堂筋線の混雑発生は、当然、輸送力を上回る大きな需要があるためであり、何故需要が大きいのか、また、これが何故ピーク時間に集中するのかを分析することが必要となる。

 

(1)地下鉄御堂筋線への集中の要因
地下鉄御堂筋線の集中要因としては、次のような点が考えられる。
?沿線の高度利用
御堂筋は古くから大阪を代表するビジネス街として、沿線の土地利用の高度化が図られ、沿線の従業人口密度も、他の沿線に比べて極めて高く、需要そのものが多い。
?郊外鉄道との高い連結性
地下鉄御堂筋線は梅田、難波、天王寺といった大阪を代表する郊外鉄道の結節点を結び、また他の四つ橋線、谷町線や堺筋線に比べてもっとも、郊外鉄道との連結性が高く、乗換の利便性にも優れている。
御堂筋線の利用者の大部分は、こうした郊外鉄道からの乗換利用者によって占められている。また、これらの背景として、住宅の郊外化の進展による夜間人口の減少、流入人口の増加などがある。
?高密度運転で高い利便性
地下鉄御堂筋線は、輸送力増強のため、ピーク時には2分間隔、昼間でも3〜4分間隔程度と他の地下鉄線に比べて最も高い運行密度となっており、利用者はほとんど待ち時間なく利用することができる。
従業員アンケートや他の利用者アンケート調査結果においても、通勤における列車や路線を選択する要因としては「乗車時間」が最も重視されている。
また、御堂筋線においては、平成7〜8年度に9両編成から10両編成に輸送力の増強が行われた。(最混雑時間帯、最混雑区間の推定混雑率は、175%程度)
?都心経由で通勤が可能
?とも重複するが、御堂筋線は梅田や難波といった商業施設等が集中した都心の繁華街と勤務先を結ぶ路線であり、通勤途上(帰り)に商業施設等に立ち寄ることが容易にできる。こうした側面も、御堂筋線の知名度・ブランドイメージとともに、御堂筋線の魅力の1つとなっていると

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION