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IV.MANDATEプロジェクト

1.MANDATEプロジェクトの目的
(1)TEDIS IIプログラム
「MANDATE」は、“Managing Negotiable Documents and Administrating TdadeElectronically”の略称である。すなわち、MANDATEプロジェクトは、「流通性書類および商取引の電子的管理に関するプロジェクト」で、「EDIによる流通性書類の電子的代替物」を探究するTEDIS IIプログラムの一部である。本プロジェクトの目的は商業的にも受け入れやすく、同時にEU加盟国の法体系の要件を満たす流通性書類の電子的代替物を確立することである。
欧州連合では、単一市場の導入および人、資本、商品、サービス、情報の自由な移動に伴って、ビジネスの組織・活動の統合化が欧州全域にわたって推進されている。このことは企業はもとより商業や商取引に責任をもつ政府・行政機関にとって、ビジネス管理が一層複雑となり、また、このような管理に対する要求の変化を生ずる結果となった。
このような要求の増大と変化に対処するとともに、ビジネス管理をより効率的にするために、EDIおよびこれに関連する技術がEU加盟国で急速に採用されつつある。このような技術は、商取引に要求される大量の紙の書類を不要にすることなどによって、ビジネス管理の効果を高めている。
EC委員会は、早い段階で単一市場の目標を現実化するためのEDIの潜在力を認識していた。EU加盟国の間で最大限にEDIの導入を達成していくためには、そのために変更される取引慣行に関する法的諸問題を検討することが必要となることは最初から明らかであった。EC理事会は、「TEDIS IIプログラム」(1991年7月22日91/385/EEC決議)を設定し、EDIによる流通性書類の電子的代替物の調査研究に次の作業を加えた。
a)EDIメッセージによって達成される機能が、法的および制度的本質に関わる機能を実行するために有効であることを、法的側面から確認する作業
b)伝統的な流通性機能に及ぼすEDIメッセージの影響を分析する作業
(2)MANDATEプロジェクトの背景
電子的にビジネスが実践されるにつれて、書類を使用した商取引に取って代わる電子的な方法を作り出すためには、紙による書類を正確に模倣して置き換えることが不要であるばかりか、むしろ望ましくないことであることがわかってきた。大切なのは書類の機能が完全に複製される電子的な取引方法を開発することである。
機能だけを複製することによって、紙を使用した商取引のほとんどについて問題が起きることはない。しかし、書類は、単にそこに記された情報を伝達することによってその機

 

 

 

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