日本財団 図書館


第2章 各論

 

?. 国・モデル交換協定書
1. 国連・モデル協定書の開発の経緯
(1)UNClDの制定
ICCの「テレトランスミッションによるトレード・データ交換取扱統一規則」(Uniform Rules of Conduct for Interchange of Trade Data by Teletransmmission:UNCID)は、1987年6月に開催された特別合同委員会で最終案が採択され、同年9月のICC理事会において正式に決定された。ICCは、EDI取扱統一規則の制定に関心をもつ国際機関に参加を呼び掛け、特別合同委員会を設置した。この特別合同委員会には、ICCの代表者に加えて、国連欧州経済委員会(ECE/WP.4)、国連国際商取引法委員会(UNCITRAL)・関税協力理事会(CCC)、国連貿易開発会議(UNCTAD)、経済協力開発機構(0ECD)、国際標準化機構(ISO)、欧州共同体委員会(the Commission of the European Communities)、欧州保険委員会(EIC)および欧州テレトランスミッション・データ交換機関(ODETTE)等の代表者が参加した。

 

イ. ∪N/TDlDの構成部分
ICCの特別合同委員会は、最初は、標準通信協定書(Communication Agreement)[=標準EDI協定書]を作ることを考えて、起草に着手した。しかし、作業の過程において、EDIユーザー・グループの要求事項が多岐にわたっており、またグループによって要求の内容が異なるので、このような標準通信協定書を作成することが実際的でないと判断した。そこで、EDI当事者間の取扱規則(Code of Conduct)を制定してはどうかとの提案があり、これが承認された。UNCIDが他のモデルEDI協定書と異なる特徴の一つは、これが「国連貿易データ交換指針書」(UN/TDID)の一部であるという点である。EDIFACTその他のEDIシステムを利用して取引を行う当事者に共通の基盤を提供しようとするものである。

 

(注)UN/TDID:「国連貿易データ交換指針書」(United Nations Trade Data Interchange Directory)
国際貿易に携わる企業が取引に係わる情報を相互に交換するためには、伝送すべきデータ項目の長さや表現形式、利用するコードやメッセージの構成等のアプリケーションレベルのプロトコルや、使用機種、回線、インタフェース、会話プロトコル等の通信プロトコルについて詳細な検討が必要である。国連ECE/WP.4では、貿易データ交換標準化の進むべき方向を示すことが緊急課題であるとして、1970年以降作業を強力に推進し、シンタックスルールとOSIの概念を盛り込んで当指針書をまとめ、公表した。その後、シンタックスルール部分はUN/EDIFACT(ISO 9735)で代替され、同指針書にはEDCD(UN/EDIFACT Composite Data Elements Directory for UNSMs)、EDSD(UN/EDIFACT Data Segment Directory)、EDMD(UN/EDIFACT Standard Messages Directory)、DECL(UN/EDIFACT Code List)、UNCID等が含まれている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION