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はしがき

 

1. EDI制度手続簡易化特別委員会は、平成8年度の委員会活動として、?EDI協定書に関する調査・研究および?流通性書類に関する調査・研究に取り組んだ。

 

2. 国連欧州経済委員会・貿易手続簡易化作業部会(UN/ECE/WP.4)は、1991年3月に開催された第33回会議において「貿易データ交換の法的諸問題」(TRADE/WP.4/R.697)を採択した。この文書には、貿易手続簡易化の商業的及び法的側面に関する6つの活動計画が示されており、その最優先順位に「交換協定書」が挙げられていた。WP.4は、法律問題ラポーター・チームに対して、1995年を完成の目途として、「国際商取引にEDIを使用するためのモデル交換協定書」の作成検討を付託した。その成果は、1995年3月にWP.4第41回会議(1995年3月)で「国連ECE勧告第26号」(TRADE/WP.4/R/1133)として採択され、第42回会議(同年9月)において、「国連貿易データ交換指針書」(UN/TDID)の第3部に編入された。その後、ECE事務局による勧告文の体裁を整えて、1996年1月に「国連ECE勧告第26号:電子データ交換に関する交換協定書の商業的使用」(ECE/TRADE/208)が公布された。この原文および和文を本報告書の資料編に掲載した。

 

3. 本特別委員会は、平成4年度以降、WP.4の法律問題ラポーター・チームの検討作業に種々の形で協力を保持しつつ、EDI協定書の「実施ガイドライン」の作成に取り組んできた。この間に、国際商業会議所(ICC)の「テレドランスミッションによるトレード・データ交換取扱統一規則」(UNCID)および主要国のモデルEDI協定書を収集・分析し、主要条項の比較検討を行った。上記のように、1995年に「国連ECE勧告第26号」が採択・公布されたので、本特別委員会では、平成7年度に、その「和訳資料」および「実施ガイドライン」の作成・検討作業に着手し、平成8年度において、「実施ガイドライン」の最終的な仕上げ作業に鋭意取り組み、国運モデル交換協定書の条文に即した体系的な報告書を纏めることができた。モデル交換協定書に関する報告は、「EDI標準協定書に関する調査・報告[V]」として、平成8年度報告書の《第1編・EDI協定書関係》に収録した。

 

4. 法律問題ラポーター・チームは、「モデル交換協定書」の検討作業が終了したので、次に「流通性書類」(Negotiable Document)の検討作業に着手した。1996年5月にブラッセルで開催された法律問題ラポーター・チームの会議で、流通性書類に関するアドホック・グループが、ヨーロッパを中心としてで実施されている各種プロジェクトの進捗状況について報告している。その中には、?ICCの電子式信用状に関するE-100計画、?SITPR0の電子式信用状に関する提案、?BOLER0計画、?UNCITRALの流通性書類に関する作業計画等が含まれていた。1996年9月に開催されたWP.4第44回会議で、法律問題ラポーターは、このような経過報告を行っただけで、まだ具体的な作業内容を示していない。

 

 

 

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