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くばすべては成り立たない,合気の道こそ愛の現われなのであります。
○人の動きはすべてことだまの妙用によって動いているのです。自分が実際に自己を眺めれば音感のひびきで判ります。ことに合気道は音感のひびきの中に生まれて来る。絶えず地におって天に,空にかえさねばなりません。そしてひびきにつれて行かねばなりません。ひびきも何もかもことごとく自分にあるのです。
○合気はある意味で,剣を使う代りに自分のいきの誠をもって悪魔を払い消すのである。つまり魄の世界を魂の世界にふりかえるのである。これが合気道のつとめである。魄が下になり,魂が上,表になる。それで合気道がこの世に立派な魂の花を咲かせ,魂の実を結ぶのである。そして経倫の主体となって,この世の至善至愛なる至誠に御奉公することなのです。
○武がなければ国は亡びる。すなわち武は愛を守る生命だからであり,科学の活動の根源である。
○合気道の修業に志す人々は,心の目を開いて,合気によって神の至誠をきき,実際に行なうことである。この大なる合気のみそぎを感得し,実行して,大宇宙にとどこうりなく動き,よろこんで魂の錬磨にかからなければならぬ。心ある人々は,よって合気の声を聞いて頂きたい。人をなおすことではない。自分の心を直すことである。これが合気なのである。又合気の使命であり,又自分自身の使命であらねばならない。

 

 

 

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