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供、婦人、老人たちまで非常に広い年令層にわたって愛好者がふえつつあることは,”武道の真髄なり”護身術なり”武術にして舞なり”あるいは”万人の健康法たり”といわれる合気道が、日本独特の心身鍛錬の道であり、人間育成の一端として、広い意味で各方面に推奨されつつあるからであります。
合気道の稽古法(試合がない)
合気道においては、通常の稽古に当って,いわゆる試合形式をとらずに形の反復稽古を行なう。形といっても活きた形であって,即実際に役立つものでなければなりません。合気道では一般のスポーツと異り、試合の勝敗という相対的なものを求めるのではなく,絶対的なものを求める姿がその在り方であります。むろん相手を制することを無視することなく,しかも超越的な強さへの%道でなければなりません,そのことが、<和>の精神に結び付くことにもなるし、したがって稽古し合っている者同志で一つの技をつくり上げ,ともに正しさを求め合い,正しさゆえの強さを修得するよう心掛けることが、合気道の稽古における要諦であります。
合気道の現況(世界に伸びる合気道)
合気道がわずかの間に全世界に爆発的に拡がりつつある現況は,これが武道としても心身鍛錬としても人種・国境を越えて現代人に極めて適当なものであると認められたからであります。
現在、合気道は財団法人合気会が普及発展のための推進母体となり、植芝開祖の意を体し正しい道統の上に立った指導法により、国内においては多数の学校、官庁、会社、各地合気会支部などほとんど全国にその実践機関を持ち,その外郭として全日本合気道連盟,全国学生合気道連盟,防衛庁合気道連合会などがあります。また海外においても米国,南米,欧州各国,アフリカ,東南アジアなどその本部指導派遣員は世界30数か国におよんで,世界の合気道人が手をつなぐ国際合気道連盟が結成(1975年11月)されました。
この中心,財団法人合気会合気道本部道場では,合気会会長でもある植芝吉祥丸道主を軸に,多数優秀な門下生が世界各地の期待に応え,国内外愛好者に日夜手をとって指導に励んでおり、かつ後進の育成に努力しております。

 

 

 

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