知恵ある者は知恵で躓く

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新刊紹介

日本財団の故笹川良一初代会長の一周忌にご子息笹川陽平理事長が著書を出版された。
著者は「笹川良一は父であるとともに人生の師でもありました。『知恵ある者は知恵で蹟く』息龍廃語録はこうした私の思いのほどを、生前の父の語録を引用しつつ書き綴ったものです」「全身全霊をもって日本さらには世界に思いをはせつつ生き抜きました父笹川良一の在りし日の姿を、しばし思い起こしていただければ、これに過ぎる幸せはございません」と語っている。
全編を通して、父と子の会話が多く書かれており、父と子の親愛の深さを感じさせられる。
著者は大切な父の思い出を、父を慕う多くの人々に、一周忌を経て語りかけたのではなかろうか。
戦後誇りにできる数少ない勇気ある日本人
渡部昇一上智大学教授は、推薦文で次のように記している。「敗戦で日本人はがっくりきた。その最大の理由は、偉いと思っていた人が、案外、臆病卑怯だったことである。しかし、故笹川良一氏は例外だった。
戦争中は、反東条内閣の議員として正論を張り、戦後は極東軍事裁判(東京裁判)やアメリカの占領政策を批判してA級戦犯容疑として拘置された。不起訴となったが、三年の拘置は占領軍が笹川氏の言論を封ずるためだったと見られている。
その後、笹川氏は日本船舶振興会一日本財団)という、ロックフェラー財団とフォード財団を合わせたよりも大きな奉仕的財団を作り、ライ・天然痘の撲滅などに貢献した。この人こそ、戦後誇りにできる数少ない勇気ある日本人である。その人の声を聞こう」と絶賛している。

 

 

 

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