12-009-1.gif

ロシア船ノボアルハンゲリスク号の

座礁から撤去まで

 

ある日突然、地元の海岸に超粗大ゴミならぬ外国船が漂着座礁した。さあ大変、大切な漁場がダメになる、流出油であたり一帯を汚染する、景観が台無しだ、などなど………早く座礁船を撤去しなくては。ところが船主がはっきりしない、連絡がうまくとれない、やっと船主と話し合いができても「資金がない、撤去の意思はない」という。山形県温海(あつみ)町に座礁したN号の場合は、はたしてどうなったか?
N号の座礁当時の状況酒田海上保安部の新田警備救難課長によるとロシア船ノボアルハンゲリスク号(以後N号)の座礁事故を認知するに至った経緯を次のように述べている。
(1)平成七年一一月九日午前七時五〇分。ころ、第九管区海上保安本部通信所を介してロシア連邦船籍タグボート・ヒィヨトルリトケ号(二、二二五トン、二九名乗組、以後F号)から、「九日午前五時ごろ、北緯三八度四一分、東経二二九度五六分付近海上においてロシア連邦サハリン・コルサコフから中国上海向け、無人のロシア連邦船籍漁船ノボアルハンゲリスク号(三、一四六トン、無人)を曳航中荒天のため曳航索が切断し、同船を流出させた」との海難発生情報を受信した。
(2)九日午前一〇時二〇分ごろF号から第九管区海上保安本部通信所を介し、N号に対する救助要請がなされたが、当時二〇材前後の西北西の強風が連吹していたこともあって、巡視船およびヘリコプター等による救助の術はなく、N号が現況のまま漂流すれば、山形県沿岸に漂着することが予想されたことから、当保安部職員を陸路山形県西田川郡温海町地先沿岸に派遣して監視させた。
N号の動静監視を実施していたところ、九日午後四時二〇分ごろ

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ