海の気象

瀬戸内海および四国沖の気象

北村雅仁(神戸海洋気象台予報課長)
一、 はじめに
気象庁では、船舶向けの情報として海上の予報、警報を発表していますが、神戸海洋気象台は、全国十二の地方海上予報中枢官署の一つとして瀬戸内海および四国沖(図1)の地方海上予報および地方海上警報を担当しています。

 

<図1>地方予・警報の担当海域

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この海域は、古くから海上交通が栄え、航行船舶も多い重要な海域になっています。海戸内海および四国沖の地方海上予報や地方海上警報は、図1に示したように三海域に細分して発表しています。
全国的な統計によると、この海域の地方海上書報の発表回数は、十二官署中多い方から七番目と、ほぼ平均的な回数になっています。
ここでは、細分された三つの海域をまとめた月別の地方海上警報の発表回数をグラフ(図2)に示して、瀬戸内海と四国沖の気象の特徴について概要を述べてみましよう。

 

<図2>月別・種類別・地方海上警報発表回数

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二、 冬の季節風
グラフでは、寒候期に強風害報の発表回数が多くなっています。これは全国的に共通なことで、冬型気圧配置の出現とともに、冬の季節風が一年を通じて最も強いことを物語っています。
瀬戸内海が東西に広がっていることから、瀬戸内海では西風が強いのが大きな特徴です。特に明石海峡など海峡では西風が非常に強くなることがあります。天気図で

 

 

 

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