第5回 漁船海難防止全道大会から

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大会の概要
第五回漁船海難防止全道大会は、九月六日午前十時から小樽市民会館に道内の漁業関係者千二百人が参加して開かれた。
この大会は、(社)北海道漁船海難防止センターが、広く全道の漁業関係者に海難防止を呼びかけ、海難の絶無を期するため、日本財団から補助金を受けて昭和六十三年から一年おきに実施している。
開会に先立ち、全員が海難による物故者に黙祷を捧げた。
大会は寺井実行委員長の開会宣言に続き、舞台天井に飾られたくす玉が割られ幕を開けた。
主催者の石井日出男大会長は挨拶で一北海道漁船海難防止センターは、昭和四十九年に発足、二十二年目を迎えた。作業性のよい救命衣の開発で海難は減少傾向にあるとはいえ、まだまだ各派で人命財産を失っている。より一層の海難防止が求められる」と述べた。
このあと、名誉大会長を務める
新谷小樽市長が歓迎のあいさつ。続いて来賓を代表して蔦旧道夫水産庁長官、堀達也北海道知事、中川義雄北海道議会議長、赤石憲二第一管区海上保安本部長からそれぞれ祝辞(代読)が述べられた。
日本財団曽野綾子会長ほかの祝電披露のあと、厚岸漁業協同組合の今村征士さんと小平漁業協同組合の金子博明さんの海難事故体験発表、小樽市漁業協同組合の鳥瀬恵子さんの海難遺家族生活発表があり、参加者に貴重な教訓を訴え深い感銘を与えた(内容は、後記のとおり)。またこれら三人の発表者に大会記念品が贈呈された。
次いで海難防止センターの十一支部で選定した海難防止の標語の発表があり、これらの標語の趣旨を取り入れた腹話術が札幌市腹笑会の鈴木幸子さんによって演じられ、漁業者の応援出演もあって、笑いの中にオレンジベスト(救命衣)の着用を訴えた。
最後に漁協青年部連絡協議会の木村会長が力強く安全操業を宣言(後記)の後、参加者全員で”われわれの浜から海難を無くそう”とシュプレヒコールを行い、増田副大会長の閉会の言葉があって正午に終了した。
体験航海
午後は、三千総トン級巡視船“つがる”に乗船し、石狩湾で巡視船艇による登舷礼および火災船の消火訓練を見学した。また地元漁船三十隻が海難防止を願った海上パレードを整然と行い、参加者から大きな拍手を受けた。

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