「海の日」記念シンポジウム来賓あいさつ

海への理解を深めよう

運輸大臣 亀井善之

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本年から七月二十日が「海の日」として新たに国民の祝日となりました。
祝日の実現につきましては、七月二十日が「海の記念日」として制定されました昭和十六年以来、海事関係者をはじめ、皆様方の大きなこ努力のたまものと感謝申し上げます。
海は古来から物資の輸送、文化の交流、水産資源の採取などをはじめ、さまざまな分野でわれわれに恩恵をもたらしています。国民の祝日「海の日」は、こうした海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う日であります。
海とのかかわりが深い私どもといたしましても、国民一人ひとりが安心感をもって海に接することができるよう安全対策などに取り組んでいるところであり、再度「海」を見つめなおす絶好の機会だと考えております。折しも本年は「国連海洋法条約」の締結に伴い「領海法」、「排他的経済水域及び大陸棚に関する法律」など新たな法制度も整備されまして、漁業資源以外に鉱物資源にも管轄権が拡大され、海洋環境保護の規制も強化されるなど、海をとりまく状況も大きく変わろうとしております。
このような中、海とかかわりあいの深い森繁久彌氏の記念講演をはじめ、各界を代表される有識者の皆様による「海の安全」をテーマにしたパネルディスカッションを開催されますことは、誠に有意義で時宜にかなったものと考えます。
日本と海とのかかわりは、今後ますます大きくなり、海上の安全確保と海洋環境の保全が重要と認識するところであります。日本に豊かな恵みをもたらしてくれる海を守り、そして未来につなぐことが運輸省、海上保安庁の使命と考えております。
このパネルディスカッションを通じて、いままで海と縁の深かった海運、造船、港湾などの海事産業関係者や船員などの方々はもちろん、これまであまりご縁のなかった方々も、四面を海に囲まれ、天然資源も少ないわが国が、海上交通や海のレジャーなどを通じ、さまざまな生活分野で海と深くかかわり、有形、無形の恵みを受けていることについて、ご理解を深めていただくことができれば幸いに存じます。

 

 

 

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