「危なかった」は赤信号 つかみとろう職場に潜む危険の芽

平成八年度全国安全週間実施要綱

1、 趣旨
全国安全週間は、昭和三年に我が国で初めて実施されて以来「人命尊重」という崇高な基本理念の下に「産業界における自主的な労働災害防止活動を推進するとともに、広く一般の安全意識の高揚と安全活動の定着を図ること」を目的に、一度も中断することなく続けられ、本年で69回目を迎える。
我が国の労働災害による被災者数は、長期的には減少傾向にあり、現在はピーク時の半数以下になっているものの、今なお年間約六十二万人を数えている。
また労働災害による死亡者数については、近年、連続して減少していたが、平成六年に四年ぶりに増加に転じ、平成七年も二年連続して増加するという憂慮すべき状況となっている。
さらに非鉄金属加工工場における爆発災害、建設工事現場における断熱材による火災災害等、一度に多くの労働者が被災する災害も増加している。
このような状況に対処するため昨年度は、平成七年十二月および平成八年一月の二カ月間を年末年始安全月間として緊急の労働災害防止対策を講じたところである。
本年度においても、建設業等死亡災害の多発している業種にかかわる労働災害防止対策の充実や、交通労働災害防止対策の推進等、労働災害防止のための施策を積極的に展開することとしているところである。
さらに近年における労働災害の減少率の鈍化傾向も踏まえ、労働災害を一層減少させるためには、「労働者が作業中に危険を感じた」等の体験を見過ごさず、その作業を労働災害の防止の観点から見直し、職場に潜む危険因子を摘み取ることにより、労働災害を未然に防止し、災害のない安全な職場をつくりあげていく必要がある。
このような観点から、平成八年度の全国安全週間は、「危なかった」は赤信号つみとろう職場に潜む危険の芽をスローガンとして展開することとする。
この全国安全週間を契機としてそれぞれの職場において、労働災害防止の重要性について認識を更に深め、安全活動の着実な実施を図ることとする。
2、 期間
七月一日から七月七日までとする。
なお、本週間の実効を上げるため、六月一日から六月三十日までを準備期間とする。
3、 主唱者
労働省、中央労働災害防止協会
4、 協賛者
建設業労働災害防止協会、陸上貨物運送事業労働災害防止協会、港湾貨物運送事業労働災害防止協会、林業・木材製造業労働災害防止協会、鉱業労働災害防止協会
5、 協力者
関係行政機関、地方公共団体、安全関係団体、全国安全会議、地方安全会議、労働組合、経営者団体
6、 実施者
各事業場
7、 主唱者、協賛者、協力者の実施事項
(1)安全広報資料等の作成、配布を行う。
(2)テレビ、ラジオ、新聞等を通じて広報を行う。
(3)全国安全逓問地方大会、安全講習会等を開催する。
(4)安全に関する作文、写真、ポスター、標語等の募集を行う。
(5)安全表彰を行う。
(6)「国民安全の日(七月一日)の行事に協力する。
(7)事業場の実施事項について指導援助する。
(8)その他「全国安全週間」にふさわしい行事等を行う。
8、 事業場の実施事項(略)

 

 

 

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