サケ・マス流し網漁業の安全操業に協力を

胆振東部
日高海域
北海道の「胆振東部日高海域漁業操業安全対策委員会(松田廣一会長)」は、五月一日から始まるサケ・マス流し網の漁期を迎えるにあたり、海難事故や漁具被害を防ぐため、付近を航行する船舶に対し、次のとおり安全操業への協力をお願いしています。
北海道太平洋岸の胆振東部・日高海域では、毎年五月一日から六月三十日まで、総トン数三〇トン未満の小型漁船による「サケ・マス流し網漁業」が行われます。
この漁業は、主として夜間、平均五千メートルもの漁網を海面付近に流し、回遊するサケ・マスを捕獲します。盛漁期には濃霧が発生するなど海象条件も悪く、航行する船舶がこれを発見、回避することが難しく、例年非常に多くの漁網をはじめとする漁具に対する事故が起きています。
このような事故を防ぐため、航行に当たっては次の事項をご理解のうえ、安全操業にご協力ください。
操業期間 5月1日から6月30日まで
魚群は、五月上旬ごろ、海水表面温度が四、五度になると、室蘭沖から苫小牧沖合にかけて出現し、次第に沿岸寄りを日高方面に東進し、六月中・下句になると襟裳岬を越えて釧路沖へ去ります。
盛漁期は、水温七〜一一度ぐらい(五月中旬〜六月中旬)で、終漁時には水温一五度前後となります。従って、漁場は西から東(室蘭方面から苫小牧、襟裳方面)へ順次移動していきます。

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操業時間
通常、正午ごろ出港し、漁場の選択を行い、午後三時ごろから投網を開始(室蘭から苫小牧にかけての比較的浅いところでは午後五時ごろから開始)します。投網作業時間は約一時間半です。
揚網は、午後十時から午前零時の間ぐらいから始まり、午前三〜四時ごろには終わります。しかし、時には七時ごろまでにも及ぶことがあります。通常の揚網作業時間は三〜四時間程度です。
帰港開始は、午前三時以降となっています。
なお、これらの作業時間は、漁の状態により多少早くなったり遅くなったりします。
操業位置
操業は、全海域を対象にして行います(図1)。毎日の操業位置は、その日の漁場の状況によって決定します。
操業状態
全体の善業船は約百二十隻あり、大半が五トン未満の小型のものです。
網の長さは、平均約五千メートル(許可は、一万メートルまで)もあり、水面下には約六〜七メートルほど垂下しています。
良好な漁場では、これらが密集しています。
投網は船尾の方向に行われ、揚網は船首の方向に行われます。
敷設の方向は、潮流(海岸線)とほぼ直角の方向(苫小牧〜室蘭間では北北西、苫小牧〜襟裳問では北北東)に行われ、隣接の網とは九百メートル以上離すことになっていますが、敷設後これらは漂流するため一定していません。
なお、この時期の潮流は九〇パーセントが東から西へ流れます。
投網後、漁船は通常網の風下側に繋がっていますが、離れている場合もあります(図2)。

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