復興に向けた確かな足どり

−震災後一年を経た神戸港−
神戸海上保安部航行安全課

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はじめに
昨年一月十七日未明に発生した阪神・淡路大震災では、阪神地区を中心に直下型の激震に襲われ、陸上では、多数の家屋が倒壊するなどして死者六千数百人を出す未曾有の大災害となりました。
一方、海上においても神戸港をはじめとする多くの港湾に大きな災害をもたらしました。
特に神戸港では、総延長約百十六キロにわたる水際線の大部分が被災したほか、係留施設や物揚場をはじめ、その背後に立地する上屋や野積場、荷役施設、倉庫などの施設が壊滅的な被害を受けました。
その後の官民挙げての復興努力により、昨年五月ごろから大型コンテナバースが再開されたのを皮切りに、一般のバースも次々と仮復旧あるいは本格復旧し、入港船舶隻数も震災前の七〜八割までに回復しました。
ここに、震災後一年を経た神戸港の現状を報告するとともに、これに関連した神戸海上保安部航行安全課の業務の一端を紹介したいと思います。
港の現状と当方の復興業務
神戸港の復旧状況
1、岸壁の復旧状況
神戸港においては、大型コンテナバースを含む二三九の岸壁(公共一八六、埠頭公社三五、私設一八)のほとんどが被災した。
震災当初は、被害の比較的小さい岸壁(一〇七)を緊急・応急復旧し救援物資を搭載した貨物船等の係留用に活用していたが、その後の復旧工事の進捗により、震災後十一カ月が経過した十二月二十日現在では、九一(四五%)の岸壁が復旧または仮復旧し供用されている。
また、神戸港はコンテナ貨物取扱量で日本一を誇っていたが、コンテナクレーンの設置バースについてその状況をみると、震災前は五二バースで八○基のクレーンが稼働していたものが、十二月二十日現在では一七バース(三二%)、四四基(五五%)のみが稼働できる状態となっている。
2、港勢の回復状況
入港船舶隻数は、震災前の七〜八割まで回復している。
(1)外航定期航路(十一月末現在)

 

 

 

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