「今夜の月の形は?」

第六管区海上保安本部「海の相談室」
月が丸くなったり欠けたりしていることは、だれでも知っていますが、月齢で月の大きさをすぐに思い浮かべる人は、少ないのではないでしょうか。
月の満ち欠けは、平均して約二九・五日を周期としています。この満ち欠けの経過日数を月齢といいます。
月が太陽と同じ方向にあるとき(月はまったく見えません)月齢が零で、新月と呼んでいます。新月から二−三日すると日没後、西の空に細かい月が見え始めます。これを三日月と呼び、そして七日目か八日目には、月の半分が欠けた半月が日没後南の空に見かけます。これを上弦の月と呼んでいます。それと反対に満月を過ぎてからの半月を下弦の月と呼んでいます。
この上弦、下弦の区別は、月が西の空に沈む時、月を弓に見立ててその弦が上のほうにあるときを上弦の月、下のほうにあるときを下弦の月としています。満月とは月齢十五前後の月で、旧暦では十五夜と呼ばれているもので、日没後東の空から上がっています。
満月を過ぎると、月は右の方から欠けていき月の出も次第に遅くなってきます。この様子を万葉の時代からつぎのように言い表しています。
満月の翌日の十六夜は「いざよいの月」、これは日没後ためらうように出てくるという意味です。
十七夜は、立って待つうちに出てくるから「立ち待ちの月」、十八夜は、座って待っているうちに出てくるので「居待ちの月」十九夜は、起きて待っているには時間がかかりすぎるので、横に寝転んで待つという「寝待ちの月」二十夜は、夜もふけてから待つという「更待ちの月」と言うように呼んでいます。
なかなか風情のある月の呼び名がつけられていますね。
月齢二十二前後の月は下弦の月と呼ばれ、上弦の月とは反対に、右半分が欠けた月を日の出時に南の空に見かけるようになります。
このようにして二十九日か三十日で月の満ち欠けが一巡し、再び新月となります。
新月および満月のころは大潮で潮の干満差が大きく、上弦および下弦のころは小潮で潮の干満差が小さくなります。
海上保安庁刊行の「潮汐表」や「天測暦」には、毎日の月齢が記載されていますので参考にしてください。

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