北海道周辺海域では、厳しい冬の海を中心に漁船やロシア船の海難があとを断たない。また放置されたロシア船の問題やロシアによる日本漁船のだ捕事件の難題もある。冬のオホーツクでは流氷対策が欠かせない。
このように課題の多い北の海の安全を確保するために、どのように取り組んでいるのだろうか。(社)日本海難防止協会の西山専務理事が第一管区海上保安本部の赤石本部長に尋ねた。

 

対談

北海道周辺の海上安全を考える

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はじめに
西山 本日は、本部長にはお忙しいところをありがとうございます。
我が国最北端の何かと問題の多い北海道周辺を管轄されておられる本部長はじめ第一管区の職員のみなさんには、本当にご苦労さまです。この機会に敬意を表し感謝申し上げたいと思います。
ところで、本日は北海道周辺の航行安全問題を中心に、北海道の特徴的なものを織りまぜながら聞かせていただき、今後の海難防止活動の参考にしたいと思いますのでよろしくお願いします。
赤石 本日は、遠いところ小樽までお越しいただきありがとうございます。
日本海難防止協会には、海難防止と海洋汚染防止のために民間団体の先頭に立ってご指導をいただいており、常々大変感謝しているところです。
海難の現状と対策
西山 ありがとうございます。それでは、まず当管区の海難の現状からお聞かせ下さい。
赤石 平成七年の要救助海難船舶数は、対前年比一〇隻減少して一四五隻です。また、平成八年九月末では七九隻と前年同期の一〇三隻に比べ二四隻減少しておりますが、まだまだ多い数だと思いま

 

 

 

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