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いうこともほとんどありえないと答えている。夫婦関係や家族関係をよいものにする要因として、ほとんどの人(約90%)が一致して答えるのは経済的安定、満足できるよい仕事を男女両方がもっていること、家事分担の一致、お互いに依存しない男女それぞれの独立した余暇活動をもっていることなどである(SCB 1995:1 p61)。

 

6.6 有子家庭

一昔前に比べて、非婚姻カップルや離婚が比較的一般的になった今日、スウェーデンの有子家庭はどのような内容を呈するのであろうか。
1990年の国民・住宅調査(Folk−och bostadsrakning)によると、90%の新生児が両親の揃った家庭に生まれている(SCB 1994:2)。しかし、年齢とともに両親と一緒に暮らす子どもの割合は、減少してきていることが指摘される(表11)。17歳になると、子どもの約3分の1がいずれかの親あるいは両親と別れて生活をしている。その内、親の死亡により別居する割合は約3%である。
実の両親とともに暮らさない子どもの割合は、今日も今世紀初めもほぼ同じであるが、今世紀初めのそれは親との死別(16%)が主な理由であった。また、親の家から既に独立した子どもが11%を占め、離婚による親との別居はまれであった。1960年代末から1970年代初めにかけて、ほとんどの年長児は親と同居しているが、その割合はそれ以降減少する傾向にある。1976−1985年の16歳児の15%が親の離婚を経験している。両親と同居しない子どものほとんどが母親一人の母子家庭(13%)か、継父と一緒の継父家庭(5%)で暮らしている。父親だけの父子家庭に暮らす子どもはわずか3%である(表12)。

 

表11 実の両親と暮らす子どもの年齢別割合:1990年代

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出所:SCB 1994:2 p.25
注:−は、データ欠如。1916−1985は16歳のみ、1960−1980は「児童青少年生活実態統計1992」。1985−1990は国民住宅調査

 

 

 

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