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なものとの混合モデルをなすものである。普遍的な性格をもつものとしては、医療、児童手当金、学校教育などである。(両)親保険は基本的に普遍的な性格をもつが、給付内容は親の労働市場への関係によって決定されるものである。選別的な社会政策としては、世帯人数、所得、家賃などのニーズに左右される住宅手当金があげられる。生活保護も個人のニーズ認定を必要とする選別的政策である。選別的政策は、人々に受給者あるいは貧困者などという刻印を押すものとして批判されることがしばしばであり、最小限に押さえられてきたといえよう。
スウェーデンの社会政策の特徴としてあげられるのは、家庭経済が逼迫するときに、つまり人生のサイクルにおいて自らの力によって生活が営めないときに、税金還元が集中的に行なわれて生活の安全を保障するシステムをとることである(図4)。しかも、その保障は国民最低生活保障ではなく、所得喪失保障を中心とするある一定の生活水準保障である。また課税を中心とする社会扶助方式による公的財源運営もスウェーデンの社会政策を特徴付けるものである。無子家庭と有子家庭間ならびに有子家庭間の所得の均等化によって、子どもならびに有子家庭に対する経済的援助をさらに行なうものである。
どういう家庭環境に生まれようとも「子どもは社会の財産」として、経済的な安

 

図4 一個人のライフ・サイクルからみた負担と原元

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出所:Nygren 1994 p.78

 

 

 

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