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ら1990年の間に24.28‰から1.20‰に低下し(95%の低下)、女子幼児死亡率は同じ時期に26.35‰から0.84‰へと97%低下した。
2)死因の変化
医療サービスと公衆衛生の発展によって、主要死因も感染症による死亡の形態から、いわゆる成人病を主とする死因に変わった。1952年当時、死因の第一位を占めたのは胃腸炎(死因の14.2%)で、第二位は肺炎(13.8%)、第三位が肺結核(9.63%)で、全死亡の38%がこの三種の感染症による死亡であった。これが、1985年には悪性新生物(ガン)による死亡が第一位を占め(17.9%)、第二位が脳血管疾患(16.1%)で、第三位は不慮の事故(12.4%)、第四位は心臓疾患(9.1%)となり、この四種で全死因の55.5%を占める状態に変わった。将来、人口の高齢化に伴って、成人病による死亡の占める割合が増加することが予測される。
3)平均寿命の伸長
死亡率低下の具体的な影響は、平均寿命の伸びであった。1906年当時の平均寿命は、男28.90年、女30.49年と短く、男女の差が1.58年であった。それが、1920年から1930年の間に13〜15年と大幅に伸長した。つまり、男が29.08年から42.45年、女が31.25年から49.98年に伸長し、男女の差も4.5年に拡大された。また、1940年から1950年の間にも大幅な伸長が見られ、男は41.58年から53.05年に、女は46.62年から55.69年に伸長した。1950年から1960年の間もそれぞれ10年ほど伸長し、男62.31年、女66.40年に達した。その後の伸びは遅く、1990年に男71.83年、女76.75年に伸び、男女の差も5年を保った。今後平均寿命の伸長は益々遅滞し、60歳以上人口の平均寿命の伸びが、比較的速まると予測されるが、死因が感染症死亡から成人病死亡に転換された現在、寿命の伸びが遅くなり、寿命伸長のコストが非常に高くなることは注意に値する。

3.出生率の推移

1)戦後の趨勢
台湾の合計特殊出生率は、戦後のベビーブームによって1951年に

 

 

 

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