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率が急速に低下し、また家族計画の推進が出生率の低下を速めたことである。台湾でのこの経験は、この人口転換の過程が、人為的に、すなわち政策の実施によって短縮することができることを示し、発展途上国の参考になると考える。
4)1985年以降
1985年以降は、死亡率と出生率とも低いレベルで安定した。死亡率は久しく5‰で安定していたが、人口の老齢化によって、若干上昇の趨勢を見せている。しかし、出生率はやはり低下の趨勢を保ち、1985年の18.0‰から1994年の15.3‰に下がった。この期間の人口増加は、主に出生率の影響を受けて変動している。

2.死亡率の変遷

1)乳児、幼児死亡率の低下
人口転換は死亡率の低下から始まったが、特に終戦直後の急速な死亡率の低下は顕著なものであった。そのうちでも、乳児(0歳)および幼児(1〜4歳)の死亡率低下が著しく、出生率低下に貢献した。男子乳児の死亡率は、1950年から1970年の20年間に、41.56‰から18.53‰へと55%ほど低下し、さらに1970年から1990年の20年間に、また63%ほど低下した(6.82‰)。これは40年間で合計84%の低下となっている。他方、女子乳児死亡率は、1950年の38.03‰から1970年の16.21‰へと57%ほど低下し、さらに1990年に5.58‰に低下した(65%低下、40年間で合計85%の低下)。
1〜4歳の幼児死亡率も同じく著しい低下が見られ、男子幼児死亡率は1950年か
[写真1/老人病院でのリハビリ風景]

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