2．2010年にかけての仙台市の家族・世帯構造の変化

世帯は人口より複雑であるために、これまで推計があまり行われてこなかった。しかし、特に高齢化に着目した場合、彼らが誰と住むのかは生活状態を規定する大きな要因であり、世帯の推計はきわめて重要になる。

（1〕総世帯数の推移

施設等に入っている人々を除いた、国勢調査でいう「一般世帯数」は、1990年の33.5万世帯から2010年の46.0万世帯まで一貫して増加する。推計人口を一般世帯数で割り、世帯当たりの人口を求めると、1995年の2.52人から2010年には2.36人に減少する。この数値は平均世帯規模とは若干異なる。平均世帯規模は一般世帯人員を一般世帯数で割ったものであり、一般世帯人員は人口から施設等の世帯人員を除いたものであるため、平均世帯規模は世帯当たり人口の数値より若干小さくなる。ここでは施設等の世帝人員を推計していないので、世帯当たり人口を世帯規模の指標とした。

世帯主年齢別の世帯数の推移を概観すると、34歳以下の若年世帯は1990年の11.2万世帯から2000年の14.0万世帯へと増加するが、2010年には12.8万世帯へと減少する。壮年層の世帯は、2010年にベビーブーム世代も第二次ベビーブーム世代も含むことになるため、全国の傾向と同様に仙台市でも増加を続ける。また、高齢層の世帯は1990年の3.8万世帯から2010年の9.7万世帯まで2.5倍に増加し、高齢人口の増加よりも大きい。総世帯数に占める割合も11.4％から21.2％へと上昇し、この間の高齢世帯の増加の大きさが理解できる。

（2）単独世帯、夫婦のみの世帯の推移

単独世帯数は、1990年の11.1万世帯から2000年に15.5万世帯、2010年に16.9万世帯へと増加する。世帯主年齢別にみた世帯数の増加傾向は、34歳以下では1995年をピークとして減少に向かうが、35〜64歳と65歳以上では一貫して増加する。割合でみると、1990年に69％を占めていた15〜34歳の若年層が201O年には48％まで低下し、一方で壮年層は24％から36％へ、高齢層では7％から16％へそれぞれ顕著な上昇が起きる。高齢層での上昇は、配偶者と死別した者がそのまま単独世帯を形成する傾向が強くなることによって生ずると考えられる。

高齢夫婦世帯は、1990年の1.3万世帯から2010年の3.7万世帯へと2.8倍に増加する。増加スピードは高齢単独世帯よりやや小さいが、2010年における高齢世帯全体に占める割合は、高齢夫婦世帯が37.7％と、高齢単独世帯の28.1％に比べて大きい。また、両者で高齢世帯の3分の2を占めることになり、全国とほぼ同様のレベルとなる。

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